尋常性乾癬(じんじょうせいかんせん)は良性の非伝染性の皮膚病です。
赤くなって盛り上がった斑点ができ、その表面にカサブタの様な皮膚片ができフケの様にボロボロとはがれ落ちるのが特徴です。
尋常性とは「もっともありふれた」という意味で、乾癬のおよそ90%が尋常性乾癬です。
赤くなった盛り上がりの事を紅斑(こうはん)といます。
これは真皮内にリンパ球などの血液の成分が集まってしまうことにより、炎症が起こり毛細血管が拡張してしまうために出来ます。
また、カサブタやフケのような白い皮膚片の事を鱗屑(りんせつ)といいます。
私たちの体の一番外側は、「表皮」と呼ばれる厚さ0.2mm〜0.4mmの細胞層に覆われています。
正常な状態では、この表皮の細胞が作られてから「アカ」となってはがれ落ちるまでに約1ヶ月かかります。
この作用のことをターンオーバーといい、それに掛かる時間のことをターンオーバー時間といいます
乾癬の場合は表皮の新陳代謝が活発となり、ターンオーバー時間が3〜4日と短くなります。
その結果、皮膚細胞の核が抜け落ちた正常な表皮になれず、鱗屑が次々と形成されます。
鱗屑は無理にはがすと点状に出血することもあります。
これをアウスピッツ現象といいます。
乾癬は皮膚のあらゆる部分に現れます。
摩擦などの刺激を受けやすい、ひじ・ひざ・頭などに多く発症します。
また、日光によく当たる部分にはあまり発症せず、日光照射の少ない太ももの後ろ側やおしりなどに多いという特徴もあります。
いわゆる普通の皮膚以外には次のところにでます。
アンケート調査では、半数以上の方(約6割)がかゆみを感じています。
紅斑のできはじめや、その上に鱗屑が重なったときに痒みが出やすいようです。
でも引っかくことは要注意です。
紅斑が出ている所を引っかくなどの刺激を与えると、その部分が悪化することがあります。
また紅斑のない普通の皮膚でも引っかいたり傷をつけたりすると、その部分に紅斑ができることがあります。
この現象をケブネル現象と言います。
乾癬はそれ自体では死に至る病ではありません。
しかし、現在のところ原因がハッキリと解っていないため非常に治りづらく、多くの場合が慢性の経過をたどります。
そのため、長期間治療することで薬の副作用が強く現れてしまうこともあります。
場合によっては、患部が人目にさらされてしまうことで差別や偏見によって社会生活を脅かされてしまったり、「醜い」「恥ずかしい」といった感情から私たち自らが自身を追いつめてしまうこともあります。
皮膚に与えられるダメージよりもこういった心に与えられたダメージの方が深刻なこともあります。
日本人での正確な患者数はまだ調べられていませんが、約0.1%(1000人に1人)と考えられています。
しかし、その数は年々増加する傾向にあり、乾癬で皮膚科を受診する人も10年前の約2倍になっています。
性別の違いでの発症の差は、およそ 男:女=2:1 で、0〜80才以上まで広く分布しています。
発症年齢は35歳前後が最も多いのですが、女性の場合二峰性の曲線として分布します。
ちなみに欧米での患者数は日本よりもかなり多く、アメリカでは2〜3%(1000人に20〜30人)の人が乾癬にかかっていると推計されています。
スウェーデンでは2.3%、イギリスでは2.0%、中国では0.3%、サモアでは0%、アメリカインディアンは0%という報告もされています。
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